中小企業版SBT認定の申請方法!要件・申請ステップ・費用について解説

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中小企業版SBT認定(SME)のことを知り、自社でも取得できるかどうか検討している中小企業の方もいるのではないでしょうか。
今回は、中小企業版SBT認定の申請方法をわかりやすく紹介します。申請の具体的な手順や必要な準備、注意点についても解説していますので、自社で取り組むかどうかを検討する際の参考にしてください。
HELLO!GREENでは「中小企業版SBT認定を取得したいが、ノウハウが不足している」「対応できる人材がいない」とお困りの企業さまを支援しています。環境省認定「脱炭素アドバイザー」が認定取得まで一気通貫でサポートいたします。ぜひお気軽にお問い合わせください。
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- 中小企業版SBT認定には、申請対象の要件として「従業員数」「売上高」「再エネ発電設備の所有の有無」などさまざまな項目があります。
- 申請には、温室効果ガス排出量(Scope1とScope2)のデータが必要です。
- 温室効果ガス排出量の算定や海外窓口への手続きが不安な場合は、HELLO!GREENが提供している「脱炭素スタートサービス」を利用するのがおすすめです。
【申請前にチェック】中小企業版SBT認定を取得するための要件と事前準備
中小企業版SBT認定は、一般的なイメージの中小企業ではなく、SBTiが定める中小企業の要件に沿う企業のみが対象となります。申請対象となる条件をチェックしておきましょう。
申請対象となる要件
申請対象となるためには、次の5つの要件全てを満たすことが必須です。

さらに、必須要件に加えて、以下の追加要件のうち4項目中3つ以上に該当することが条件です。

上記の条件を満たす場合も、以下のいずれかに該当する場合は申請ができません。確認しておきましょう。
■申請対象外となるケース
- 不動産投資信託を扱っている
- 商業目的の採掘活動のための化石燃料資産(石炭鉱山、亜炭鉱山など)からの収益が5%以上である
- 化石燃料の販売、送電、流通による収益が50%以上・化石燃料会社への機器またはサービスの提供による収益が50%以上である
- 都市・地方自治体、公共機関、教育機関、非営利団体である
申請に必要なもの
中小企業版SBT認定の申請に必要なデータは、以下の通りです。
会社情報 | ・損益計算書 ・貸借対照表 ・労働者名簿 |
温室効果ガス排出量のデータ | ・算定対象:Scope1とScope2 |
削減目標 | ・温室効果ガス排出量削減の短期目標/短期的なメンテナンス目標/ネットゼロ目標 |
中小企業版SBTの場合、温室効果ガス排出量は、電力会社からの請求書や社用車にガソリンを給油した際のレシートなどのエビデンスをもとに算定します。申請する前に各データを準備し、排出量算定や目標数値の設定をしておきましょう。
社内で温室効果ガスの算定や目標数値の設定が難しい場合は、サポートサービスをご利用ください。
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中小企業版SBT認定の申請の流れ
中小企業版SBT認定の申請方法をステップごとに紹介します。

1.アカウントを作成して会社情報を登録します
SBTiのホームページにアクセスし、サービス検証ポータルでアカウントを作成します。会社登録フォームで必要な情報を入力し、送信しましょう。
提出した情報をもとに、中小企業版SBT認定の対象として適切かどうかなどを、SBTiがチェックします。その後メールがSBTiより届きます。中小企業と認定され、検証ポータルにログインできるようになったら、次のステップに進みましょう。
2.温室効果ガス(GHG)の算定データと目標を提出します
温室効果ガス(GHG)を算定し、排出削減目標を策定しましょう。算定方法や目標設定は、GHGプロトコルに沿った科学的根拠に基づいたものであることが求められます。2024年1月の改正により、デューデリジェンス(提出資料の精査)が以前より強化されており、企業が提出する情報にもより高い正確性が必要です。
提出した情報に不備がある場合や妥当性に問題がある場合は、再提出を求められることがあるため注意しましょう。問題がなければ目標承認のメールが届きます。
3.SBTiに申請費用を支払います
SBTiから請求書が届きます。中小企業版SBT認定は、通常版SBT認定より申請費用が低く設定されています。 金額を確認し、送金手続きを済ませましょう。
4.SBTiのホームページに企業名と目標が掲載されます
SBTiによって目標が承認されると、中小企業版SBT認定取得となります。企業名と削減目標がSBTiのホームページで公表され、SBTiから企業にロゴの使い方や公開方法のガイドラインなどをまとめたウェルカムパックが送付されます。
企業は自社のホームページや、投資家向け資料などで認定取得をアピールしましょう。
中小企業版SBT認定の特徴
企業が知っておきたい、中小企業版SBT認定の特徴をまとめました。
中小企業版SBT認定とSBT認定の違い
主に大企業を対象とするSBT認定と比べると、中小企業版SBT認定は申請にかかる負担が軽減されていることが特徴です。例えば、温室効果ガス排出量の削減対象の範囲に違いがあります。
■削減対象範囲
中小企業版SBT | 通常版SBT |
---|---|
Scope1、2排出量(初期段階) | Scope1、2、3排出量 ※Scope3がScope1~3の合計の40%を超えない場合、Scope3目標設定の必要はなし |
両者でScope1、2は共通ですが、Scope3を削減対象とするかどうかが異なります。Scope3に関して中小企業版SBT認定では、排出量を調べ、減らすように努めることのみ求められています。具体的な削減目標を定めることは必須ではありません。
そのほか、排出量削減における目標年と基準年のルールも異なります。以下の記事では、違いについてさらに詳しく紹介しています。
申請に必要な費用
通常版SBT認定の目標妥当性確認サービスは、費用がUSD11,000(別途手数料)かかりますが、中小企業版SBT認定は大幅に低く設定されています。
中小企業版SBT認定の申請に必要な費用(2024年8月時点) |
---|
USD1,250(別途手数料) |
中小企業版SBT認定を取得するメリット
中小企業向けSBTとして簡略化されてはいますが、取得後は通常版のSBT認定と変わりありません。認定を取得すると、次のようなメリットが期待できます。

近年の世界的な流れとして、企業の業績や製品の性能だけでなく、環境への配慮や、気候変動に対する取り組む姿勢も、投資先や取引先を選ぶ際の視点として重視されています。
中小企業版SBT認定の取得による4つのメリットは、企業の長期的な成長に貢献するでしょう。
中小企業版SBT認定取得のハードル
中小企業版SBT認定のメリットに魅力を感じながらも、認定取得のハードルとなっているのが「書類準備の手間」や「ノウハウの不足」です。

中小企業版SBT認定を申請するためには、温室効果ガス排出量の計算や、海外窓口への手続きなど、手間と時間がかかります。専門知識が不足していると、排出量計算の誤りなど提出データで重大なミスをしてしまうリスクも考えられます。
中小企業版SBT認定取得の負担を軽減!「脱炭素経営スタートサービス」
中小企業版SBT認定の手間を省きスムーズに取得する方法としておすすめなのが、HELLO!GREENが提供している「脱炭素経営スタートサービス」です。
■サービスの特長
- 面倒な排出量計算を代行
- 中小企業版SBT認定の基準に沿った目標の設計
- 環境省認定「脱炭素アドバイザー」がサポート
専門知識を有するアドバイザーが、温室効果ガスの排出量計算やレポート作成、海外への申請手続きも担当いたします。認定取得まで一気通貫でサポートするため、安心してお任せください。
環境規制の対応は、中小企業にとっても今後さらに重要性を増していくため、先手を打って取り組むことでリスク回避にもつながります。「脱炭素経営スタートサービス」を活用すれば、手間を省きながら確実に一歩を踏み出せます。
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申請方法を理解したら、中小企業版SBT認定の取得を目指そう
中小企業版SBT認定は、申請対象の企業が温室効果ガスの削減目標を設定し、SBTiによって目標の妥当性が認められれば取得できる認定です。SBT認定企業として国際的な信頼を得られるメリットは大きい一方、温室効果ガス排出削減目標や海外窓口への手続きなど、SBT申請には手間と時間がかかります。申請にかかる労力を減らしたい場合は、「脱炭素経営スタートサービス」の活用も検討してみてはいかがでしょうか。