初めての
脱炭素経営を
サポート!

法人向けソーラーカーポート。駐車場の屋根を使って太陽光を有効活用|企業事例あり

脱炭素経営を始めるなら、まずは脱炭素の基本ガイドをチェック

ソーラーカーポートとは、駐車場の屋根に太陽光発電パネルを設置し、発電する設備のこと。小規模からの導入が可能ということもあり、多くの企業が注目している再生可能エネルギー発電方法です。

この記事では、ソーラーカーポートの概要をはじめ、企業として導入するメリットやデメリット、導入事例を紹介します。自社への設置を検討している企業の参考になりますので、ぜひ最後までご覧ください。

HELLO!GREENでは脱炭素経営の進め方に悩む中小企業さまに向けたお役立ち資料をご用意しています。ぜひご活用ください。
→資料を無料ダウンロードする

記事の要点
  • ソーラーカーポートとは、駐車場の屋根部分に太陽光発電パネルを設置して、電力を生み出す設備のこと。
  • 企業として導入するメリットとしては、「エネルギーコストの削減」「土地の有効利用」「非常用電源の確保」などが挙げられます。
  • 導入に際しては、補助金制度を活用する方法もあります。
目次

ソーラーカーポートとは

ソーラーカーポートとは、駐車場の屋根部分に太陽光発電パネルを設置して、電力を生み出す設備のこと。

以下の図のように「太陽光発電一体型カーポート」と「太陽光発電搭載型カーポート」の2種類あります。

ソーラーカーポートの種類

それぞれの特徴については、表をご覧ください。

太陽光発電一体型カーポート太陽光発電搭載型カーポート
コスト一体型で効率的な場合が多い既存のカーポートによっては、補強や追加工事が必要になり、コスト増になることもある
導入時の利便性新設に適している既存設備の改良に適している
メンテナンス一体化の構造のため、手入れや点検が比較的容易であるパネルの取り付け方によっては、手入れや点検が難しい場合もあるが、パネルの不具合時にはパネルのみ交換で対応が可能
カスタマイズ性追加変更の選択肢は少ない必要に応じて、パネルの種類や枚数を変更できる
景観建物や周囲の景観に溶け込みやすいデザインによっては発電設備が目立つこともある

それぞれに利点があるので、導入する場合は、導入時期や目的に応じて決定するとよいでしょう。

法人向けソーラーカーポートが注目される背景

今なぜ、法人向けのソーラーカーポートが注目されているのでしょうか。背景としては、年々深刻さを増す地球温暖化をストップさせるために、各企業に温室効果ガスの排出量削減が求められていることがあります

その対策のひとつとして注目されているのが、発電時に温室効果ガスを排出しない再生可能エネルギーの導入です。再生可能エネルギーにはいくつか種類がありますが、設置のしやすさなどから考えると、多くの企業が導入しやすいのが太陽光発電でしょう。

ソーラーカーポートがあれば、駐車場としての機能を果たしながら、同時に自家発電をすることが可能です。また、極端にいえば1台分の駐車場でも太陽光パネルを搭載でき、小規模からでも発電できます。

そのため、ソーラーカーポートは環境対策と事業効率化の両面で高い効果を発揮する、企業にとって有益な取り組みといえるでしょう。

再生可能エネルギーについては、以下の記事で詳しく解説しています。理解を深めるために、ぜひご覧ください。

脱炭素経営の進め方がわかる資料を無料ダウンロードする

【ポイント】導入には補助金の活用を要検討

ソーラーカーポートが有益な取り組みとはいえ、導入には設置費用が掛かります。特に中小企業の方からは、「設置したいけれど、コスト面で導入が厳しい」という声も。そこで紹介したいのが、補助金制度の活用です。

2024年度には、駐車場を活用したソーラーカーポートの導入支援として、環境省による以下の補助金制度が公募されました。

事業名称新たな手法による再エネ導入・価格低減促進事業/再生可能エネルギー事業者支援事業費(ソーラーカーポート)
対象業者民間事業者、団体など
補助率1/3(上限は1億円)
主な要件・導入設備による発電量の50%以上を導入場所の敷地内で自家消費すること
・定めたコスト要件を下回ること
・停電時に電力供給可能とするシステム構成であること など

補助金制度は公募期間が決まっており、上記の公募はすでに終了していますが、来年度以降も公募されることがあります。こまめにチェックしましょう。

参考:環境省『再生可能エネルギー事業者支援事業費(駐車場を活用した太陽光発電設備(ソーラーカーポート)の導入を行う事業)補助金の公募開始

法人向けソーラーカーポートを導入するメリット

企業がソーラーカーポートを導入するメリットとしては、以下の5つがあります。

■法人向けソーラーカーポート導入のメリット

  • 電気料金の削減につながる
  • 限られた土地を有効活用できる
  • 災害対策としての非常用電源を確保できる
  • 再生可能エネルギー証書として活用できる
  • ESG投資に有効である

電気料金の削減につながる

ソーラーカーポートで発電した電気を自社で利用すれば、その分、電力会社などから購入する電気量を削減でき、支払う電気料金が減ります。また、電気料金は世界情勢などにより高騰することもありますが、そういった電気代の高騰による自社への影響も最小限に押さえられます。

以下のグラフは電気料金の平均単価の推移を示したものです。

電気料金の平均単価の推移
参考:経済産業省『電気料金の変化』を加工して作成

電気料金は年々上昇しており、2022年度の産業向け電力における平均単価は約27円/kWhで、2010年度の2倍近くです。こうした状況の中、ソーラーカーポートの設置により電気料金を削減できるということは、企業にとって大きなメリットといえます。

限られた土地を有効活用できる

駐車場と発電を両立できるソーラーカーポートを敷地内に設置すれば、限られた土地を有効活用できます。駐車スペースを最大限に活かした、収益性の高い資産転換といえるでしょう。特に都心部や土地価格の高い地域では、太陽光発電のためだけに施設を建設することは、敷地的に難しいことがあるので、土地の価値向上の手段として大きなメリットになります。

災害対策としての非常用電源を確保できる

近年、気温上昇による地球温暖化の影響もあり、自然災害が増加しており、災害時に停電が発生することもあります。しかし、ソーラーカーポートを設置していれば、災害時にも電力を供給できる非常用電源として機能し、自社で発電した電力を利用することで事業の継続性確保に貢献します。災害や緊急事態が発生した時の備えとして、近年重要性を増しているBCP(事業継続計画)対策にもなるでしょう。

太陽光による発電のため、発電量は天候に左右されますが、蓄電池と組み合わせることでより安定的な電力供給が可能になります。

社有車をEV車にすれば、相乗効果が得られる

社用車がEV車(電気自動車)であれば、ソーラーカーポートで発電した電気でEV車を充電できます。ガソリン車なら必要となるガソリン代を削減できるうえ、自社の温室効果ガス削減にも寄与します。

社有車としてガソリン車を使用している企業は、ソーラーカーポートの設置と同じタイミングで、EV車へ切り替えるのも一案です。

再生可能エネルギー証書として活用できる

ソーラーカーポートで発電した電力は、自社で利用するだけでなく、再生可能エネルギー証書としても活用できます。

再生可能エネルギー証書には、以下のようなものがあります。

非化石証書グリーン電力証書J-クレジット(再生可能エネルギー)
環境価値の由来非化石電源の電力再生可能エネルギー由来の電力CO2排出量を削減した分
認証主体一般財団法人日本品質保証機構(JQA)
購入者・小売電気事業者
・需要家
・需要家・小売電気事業者
・J-クレジットの売買を仲介している事業者
・需要家
※需要家=電力会社と契約して電気を購入・使用している一般企業

環境価値の由来や認証主体、認証方法は異なりますが、どれも購入を希望する人に売却できるため、売り手側にとっては利益になります。

ESG投資に有効である

ソーラーカーポートの導入は、企業の環境への取り組みを具体的に示すものであり、企業イメージを向上させる効果が期待できます。こうしたイメージアップは、近年注目されているESG投資にも有効です。

ESG投資とは、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)といった財務情報以外の要素を考慮して行う投資のことです。ソーラーカーポートの取り組みは、投資家によるESG投資先選定の判断基準の一つになるでしょう。

法人向けソーラーカーポートを導入するデメリット

メリットが多い法人向けソーラーカーポートですが、デメリットがないわけでもありません。主なデメリットをみていきましょう。

初期費用・メンテナンス費用が掛かる

ソーラーカーポートを新設するにしても、既存の駐車場を利用するにしても、初期費用は掛かります。既存のカーポートに太陽光発電を搭載する場合、もともとの仕様によっては支柱の補強といった工事も発生します。

また、定期点検の費用がかかるほか、太陽光発電設備に故障やトラブルが発生した際には修理費用もかかります。設置後のメンテナンス費用も考慮しておきましょう。

予定外の費用がかからないよう、設置する土地柄によっては、耐風・耐雪性能を備えた設備を選びましょう。

立地や天候によっては多くの発電量を見込めない

太陽光で発電するため、南向きの日当たりの良い場所が有効です。しかし、近くに高い建物がある場合など、南向きだとしても日光が遮られる条件によっては想定する発電量が見込めないこともあります。また、例え太陽光パネルの位置や角度が優れていても、曇りや雨・雪の日は発電量が減ります

季節による変動もあり、日照時間が長い夏に発電量が多くなるとは限らないのが太陽光発電です。太陽光パネルは高温に弱いという特性があり、気温が高くなる夏は発電効率が下がるのが原因です。

建築確認申請が必要になる

ソーラーカーポートは、建築基準法に基づく「建築物」に相当します。そのため、建築基準法にのっとった設計や施行、管理が必要となります。建ぺい率や容積率、基準風速、積雪荷重、地盤・基盤の強度などを事前に確認しなければなりません。

そのうえで、「建築確認申請書」を作成し、検査機関・自治体による確認を経て、基準に満たしていることが認められれば、着工が可能となります。

固定資産税の対象となるケースがある

ソーラーカーポートは、条件によっては固定資産税の対象となります。対象となる条件は以下を全て満たした場合となります。

  1. 発電量が10kw以上
  2. 基礎が地面に固定されている
  3. 3方向以上が壁で囲まれている
  4. 居住、作業、貯蔵としても活用できる
固定資産税の対象となるソーラーカーポート

ただし、最終的な判断は税務署が行います。対象となるのか判断に迷う場合は、設置する前に、税務署に確認しておくとよいでしょう。

【中小企業必見】法人向けソーラーカーポート導入事例5選

ソーラーカーポート導入を検討している企業にとって、参考になるのが導入事例です。環境省の資料より、実際にソーラーカーポートを導入した5事例を紹介します。

参考:環境省『ソーラーカーポートの導入事例集

事例1.中山間地域における地域貢献型の小規模導入(駐車場4台分)

発電容量太陽光パネル出力:12kW
パワコン出力:11kW
設置タイプ 太陽光発電一体型(駐車場4台分)
電力使途全量自家消費
事業費総事業費:271万円(うち補助額:82万円 補助率:1/3)
再エネ消費比率※事業実施前:0% → 事業実施後:92%
CO2削減効果6t-CO2/年
※事業者が日中の稼働時間を想定して算出した値

愛知県豊田市の株式会社M-easyは、廃校を活用したコアオフィスに、駐車場4台分の太陽光発電一体型ソーラーカーポートを設置しました。同施設は、災害時には災害対策拠点にも位置付けられており、地域の防災力強化にも寄与しています。

小規模なソーラーカーポートならではの、中山間地域の老朽化が進む中小施設などにおいても比較的容易に導入できるという利点を活かした導入事例です。

事例2.ホームセンターの駐車場に設置し、顧客の利便性向上にも寄与(駐車場82台分)

発電容量太陽光パネル出力:234kW
パワコン出力:210kW
設置タイプ 太陽光発電一体型(駐車場82台分)
電力使途全量自家消費
事業費(非公表)
再エネ消費比率事業実施前:0%  → 事業実施後:54%
CO2削減効果147t-CO2/年

グリーンエネルギーに関する課題解決事業を展開するしろくま電力株式会社(旧株式会社afterFIT)は、ホームセンターの駐車場に、オンサイトPPAモデルでソーラーカーポートを設置しました。

新たに屋根付きの駐車場を設置したことで、雨天時などによる来店客の利便性向上にひと役買っています。また、BCP対策の一環として、災害などの非常時の電力としても利用可能です。

オンサイトPPAモデルとは?

発電事業者が、自社の費用で需要家の敷地に太陽光発電設備を設置する方式。設備は発電事業者が所有し、維持管理を行います。
発電した電気は、発電事業者から需要家に供給されます。需要家は発電事業者に電気利用料を支払う仕組みです。
オンサイトPPAモデルのポイントとしては、需要家は初期投資0円で太陽光発電設備が導入できる点が挙げられます。
参考:環境省『初期投資0円での自家消費型太陽光発電設備の導入について~オンサイトPPAとリース~

事例3.離島でのオンサイトPPAモデル(駐車場2台分)

発電容量太陽光パネル出力:6kW
パワコン出力:6kW
設置タイプ 太陽光発電搭載型(駐車場2台分)
電力使途全量自家消費
事業費総事業費:146万円(うち補助額:48万円 補助率:1/3)
再エネ消費比率※事業実施前:100% → 事業実施前:100%
CO2削減効果4t-CO2/年
※事業実施前で再エネ電力100%調達を実現。電力消費増分を本事業の発電電力量で賄う

長崎県五島市の一般社団法人離島エネルギー研究所は、同社が発電事業者となりオンサイトPPAモデルとして、同市内の商店(需要家)に導入しました。

発電した電力は、平時はEV車に利用し、災害時はEVの車載用蓄電池と連携することで停電時の電力供給を行っています。なお、契約期間満了後は、設備を需要家に譲渡する計画です。

事例4.自家消費し、余剰分は売電(駐車場69台分)

発電容量太陽光パネル出力:204kW
パワコン出力:200kW
設置タイプ 太陽光発電搭載型(駐車場69台分)
電力使途自家消費、余剰分は売電
事業費総事業費:6,207万円 (うち補助額:1,990万円 補助率:1/3)
再エネ消費比率※事業実施前:33% → 事業実施後:58%
CO2削減効果133t-CO2/年
※2022年1月~12月の発電量を基に算出

車輌関連機器の継手などを製造する株式会社ジャバラは、自社工場に導入。2015年より積極的に太陽光発電設備を導入していましたが、さらなる発電を目指し、2023年に駐車場にソーラーカーポートを設置しました。発電した電気は工場にて自家消費していますが、余剰分については売電しています。

駐車場の水勾配が大きく、外観および強度向上のため、カーポート架台を追加加工して設定するといった工夫も施しています。

事例5.自家消費し、余剰分はEVへ充電。蓄電池も導入(駐車場4台分)

発電容量太陽光パネル出力:12kW
パワコン出力:10kW
蓄電池容量:13kWh 
設置タイプ 太陽光発電一体型(駐車場4台分)+蓄電池
電力使途自家消費、余剰分はEVへ充電
事業費総事業費:655万円(うち補助額:197万円 補助率:1/3)
再エネ消費比率※事業実施前:0% → 事業実施後:90%
CO2削減効果6t-CO2/年
※ 2022年1月~12月の発電量を基に、積雪期間2カ月を想定して算出

建設機械などの販売やレンタルなどを展開する株式会社キヤナギ重機では、事業場の屋根への太陽光発電パネルの設置が建物自体の老朽化により難しかったため、ソーラーカーポートを新設。将来的に近隣に建物が新設されても日陰にならない場所に設置しています。

併せて、蓄電池も導入しました。発電した電気で事業所内の電力を賄うとともに、余剰分は蓄電池に充電。貯めた電気は、夜間や発電の少ない時間帯に使用することによりピークシフトを実現しています。それでも余った分はEV車に充電しています。

小規模からでも可能!ソーラーカーポートを設置し、自家発電を推進しよう

駐車場の屋根に太陽光パネルを設置して電力を生み出すソーラーカーポートは、駐車場1台分からでも設置可能なため、事業規模を問わず導入しやすい太陽光発電設備です。導入することで、「エネルギーコストの削減につながる」「限られた土地を有効活用できる」といったメリットを享受できます。

設置にあたって費用が気になる場合は、補助金制度を活用する方法もあります。本記事で紹介した事例を参考にしながら、導入を進めてみてはいかがでしょうか。

脱炭素経営にご興味のある方、
お気軽にお問い合わせください