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取引先の脱炭素要請にどう応える?無理なくサプライヤーに選ばれ続ける方法

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取引先から脱炭素要請があっても、どう対応するか、何からやればいいのか分からず、負担に感じている方もいるでしょう。この記事では、脱炭素要請の背景、応じない場合に想定されるリスク、中小企業が無理なく脱炭素を進めるステップなど、サプライヤーとして選ばれ続けるための方法を解説します。

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記事の要点
  • 大手企業はサプライチェーン全体の排出量を把握・削減するために、サプライヤーに脱炭素を要請します
  • 脱炭素要請に応じない場合は、取引停止などのリスクが考えられます
  • サプライヤーとして選ばれ続けるには、排出量の削減目標を設定し、脱炭素対応をアピールすることが重要です
目次

中小企業に脱炭素対応が求められる背景

大手企業やグローバル企業を中心に、脱炭素やカーボンニュートラルを目指す動きは広まっています。多くは、サプライチェーン全体の温室効果ガス排出量(GHG排出量)削減を重要視しているため、上流・下流工程にいる中小企業も無関係ではありません。

原材料調達や配送などを担う中小企業にも、サプライチェーンにおける排出の責任があるため、大手企業から脱炭素対応を要請されるのです。

大手企業による取引先への要請例

大手企業がGHG排出量を算出・削減するには、サプライチェーンにいる取引先(サプライヤー)の協力は必須です。

特にSBT(Science Based Targets)認定を取得している大手企業は、取引先の排出量も含めて削減目標を設定する必要があります。そのため一部で、取引先に目標設定を求める企業も見受けられます。

■サプライヤーに目標設定を求める企業例

・第一三共(医薬品)
・イオン(小売)
・浜松ホトニクス(電気機器)
・ロッテ(食品)
・ブリヂストン(タイヤ)
・オリンパス(医療機器) 
・大和ハウス工業(不動産)
・コクヨ(耐久消費財) など
参考:環境省『排出量削減目標の設定

このように、特定の業界に限らずさまざまな分野で脱炭素対応が求められていることが分かります。どの業界であっても「大手企業からの要請にどう応えるか」が、中小企業の今後の事業に大きく関わってくるでしょう。

「Scope」で考えるサプライチェーンのCO2排出量削減

脱炭素の取り組みを進める上で、「Scope(スコープ)」という考え方が重要です。ScopeはGHG排出量を分類する枠組みで、以下のように分けられます。

サプライチェーン排出量のイメージ
参考:環境省『サプライチェーン排出量全般
区分排出源
Scope1自社が所有または管理する設備や車両などからの直接排出(例:工場で使用する燃料の燃焼、暖房設備の灯油、社用車のガソリン、製造プロセスにおける化学反応など)
Scope2他社から供給された電気・熱の使用による間接排出(例:オフィスや工場の電気など)
Scope3Scope1とScope2以外の全ての間接排出。15のカテゴリに分類(例:原材料の調達、輸送・配送、通勤や出張、製品の販売・使用・廃棄などなど)

Scope3はカバーする範囲が広く、大手企業がサプライチェーン全体で排出量を削減するには、このScope3への対応が欠かせません。そのため、大手企業が中小企業に脱炭素化を要請するケースが増えています。

脱炭素要請に応じない場合の3つのリスクとは

中小企業の脱炭素化は、単なる環境問題にとどまらず、これからの事業継続にも関わる重要課題です。もし、取引先からの脱炭素要請に応じない場合、以下のようなリスクが考えられます。

サプライチェーンからの離脱

最も深刻と思われるリスクは、取引先のサプライヤー選定基準から外され、結果として取引停止になることです。

大手企業の多くは、環境に配慮したサプライヤーを優先して選んでいます。調達先の選定条件に排出削減が含まれる場合があり、脱炭素化は実質的な取引条件になりつつあります。

企業価値・競争力の低下

近年は、環境対応は企業の信頼性にもつながっています。ESG(環境・社会・ガバナンス)への対応が不十分な企業は、投資家や取引先からの信頼を失う恐れがあります。

一方で、脱炭素の取り組みを明確にしている企業は、人材採用や補助金申請などでも有利な傾向にあります。対応が遅れると、こうした機会を逃すことも考えられます。

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法的・規制リスクの増大

今後は、国や自治体による環境規制が強化されていくと予想されます。すでに一部の地域では、一定規模以上の事業者に排出量の報告を義務付けており、中小企業にも波及する可能性があります。こうしたルールに対応できないと、企業としての信頼が損なわれる恐れがあり、将来的な法改正に備えるためにも早めの対策が重要です。

中小企業でも無理なく進められる脱炭素対応ステップ

大手企業のように脱炭素のためのリソースを確保できない中小企業にとって、脱炭素化は「いかに日々の業務と両立するか」がポイントとなります。ここでは、できることから段階的に取り組めるよう、基本となる3つのステップを紹介します。

1.現状を把握する

最初のステップは、自社のGHG排出の状況を知ることです。例えば電気やガスの使用量、社用車の燃料と走行距離、廃棄物の量などを集計して、どこが排出源なのかを特定します。主な排出源が分かることで、どこに無駄があるのか、どこで削減するかなどの見直しにつながります。

排出量算定の方法や注意点などは、こちらの記事で解説しています。

2.削減目標を設定する

次に取り組むべきは、削減目標の設定です。目標設定において活用できるのが、近年、注目されている「中小企業版SBTです。SBTは、パリ協定における「1.5℃目標」を目指す制度で、科学的根拠を基に削減目標を設定します。このSBTの考え方を採用する企業は増加しており、中小企業版SBT認定が入札の加点となる場合もあるため、検討の価値はあるでしょう

3.行動計画の実行と改善を繰り返す

目標を定めたら、次は行動計画の立案と実行です。例えば以下のような施策が考えられます。

  • 照明をLEDに変更する
  • 空調や生産設備を省エネ型に切り替える
  • デマンド監視(電力使用の見える化)により無駄なエネルギー使用を減らす
  • 社用車をハイブリッド車やEV車へ移行する など

これらを全て、一度に行う必要はありません。できることから少しずつ始め、効果を定期的に見直して改善することで、着実な削減につなげていきます。

また、自治体の補助金や金融機関が提供する脱炭素関連の融資などを活用すれば、初期コストを抑えながら脱炭素を進めることも可能です。

すぐに実践できるCO2排出量削減策

脱炭素対応は、以下のような方法もあります。

  • エアコンの温度設定の見直し
  • 不要な照明や機器の電源オフを徹底
  • 社内をペーパーレスにして印刷物を削減
  • 会議のオンライン化で出張回数を削減 など

こうした小さな工夫の積み重ねが、排出量の削減につながります。また、電力使用量を「見える化」することで、社員一人ひとりの省エネ意識も高まりやすくなります。例えば、月ごとの電力使用量を社内で共有するなど、広報活動も効果的です。

脱炭素対応で取引先に選ばれるためのポイント

取引先の脱炭素に対する要請にしっかりと対応することは、信頼を得て、これからも選ばれ続ける企業になるための大きなポイントです。加えて、排出削減の取り組みを、社外にアピールすることも重要です。その手段の1つとして、国際認証制度である「SBT」を活用する方法があります。

中小企業版SBT」の認定取得によるメリットとして、以下のことが挙げられます。

  • 第三者による認証のため、単に自社で宣言するよりも信頼性が高い
  • 競争入札や補助金申請で有利になる場合がある
  • SBTの公式サイトに社名が掲載され、海外企業にもアピールできる など

実際に大手企業の中には、取引先にSBT取得を求めているところもあります。中小企業版SBTは通常版よりも申請のハードルが低く、費用も抑えられています。まずは排出量を把握・算定した上で、その先のステップとしてSBTの取得を検討してはいかがでしょうか。

HELLO!GREENでは、中小企業さまの脱炭素をご支援するために「中小企業版SBT認定」申請支援を行っています。環境省認定「脱炭素アドバイザー」が認定取得まで一気通貫でサポートいたしますので、少しでも不安がある場合はお気軽にお問い合わせください。

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攻めの経営戦略で取引先の脱炭素要請に対応しよう

取引先からの脱炭素要請は、一見すると負担に感じるかもしれません。しかし、これを「義務」ではなく「事業を守り、広げるための戦略」ととらえることで、新たな成長につながるチャンスになります。

脱炭素への取り組みは、企業の信頼性を高めるだけでなく、新たな顧客や投資家の注目を集めて、競争力の強化にも役立つでしょう。これからも調達先として選ばれ続けるために、できるところから前向きに、脱炭素要請に対応していきましょう。

HELLO!GREEN

執筆:HELLO!GREEN編集部

HELLO!GREENでは、これから脱炭素経営に取り組む中小企業の皆さまに向けて、有益な情報を発信しています。環境省認定制度「脱炭素アドバイザー アドバンスト」にも認定されている 「炭素会計アドバイザー」資格を持つ専門スタッフの知見を活かし、わかりやすく信頼できる記事づくりに努めています。

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