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【2025年改正】GX推進法とは?概要や関連する取り組み、中小企業向け支援策

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「GX推進法という葉は知っているけれど、具体的にいつ、何が始まるのかまでは把握できていない」という経営者の方は多いのではないでしょうか。

日本が2050年のカーボンニュートラル実現に向けて制定した「GX推進法(脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律)」は、2025年5月に改正法が成立し、より実効性の高いものへと進化しました。

特に注目すべきは、2026年4月1日から始まる「CO2排出量取引制度(GX-ETS)」の義務化です。一見すると大企業向けの話に思えますが、サプライチェーン全体での脱炭素化が求められる今、中小企業にとっても「炭素に価格が付く時代」への対応は待ったなしの状況です。

本記事では、改正GX推進法の最新スケジュールから、中小企業への影響、そして今すぐ活用できる補助金や支援策について、わかりやすく解説します。

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記事の要点
  • GX推進法は2025年5月に改正され、脱炭素への動きが加速しています。官民投資を引き出す枠組みに加え、排出削減への取り組みが企業のコスト競争力に直結する仕組みが強化されました。
  • 2026年4月からCO2排出量取引制度(GX-ETS)が義務化されます。 対象となる大規模排出事業者だけでなく、サプライチェーンを構成する中小企業にとっても、排出量算定の重要性が飛躍的に高まっています
  • 2028年度からは化石燃料賦課金の導入が予定されています。 炭素排出に価格が付く「カーボンプライシング」の本格化を見据え、補助金活用やSBT認定取得などの早期対策が企業成長のカギとなります。
目次

GX推進法とは

GX推進法は、正式名称を「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律」といいます。2050年までのカーボンニュートラル実現という国際公約に向け、2023年5月に成立しました。

この法律の目的は、国内における脱炭素成長型経済構造への円滑な移行(GX/グリーントランスフォーメーション)を推進し、産業競争力の強化と経済成長を両立させることです。これにより、国民生活の向上および国民経済の健全な発展に寄与することを目指しています。

さらに、2025年5月には改正法(脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律の一部を改正する法律)が成立し、脱炭素に向けた取り組みは新たなフェーズに入りました。今後10年間で官民あわせて150兆円を超える投資を実現するため、以下の「5つの柱」を中心に戦略が実行されます。

1.GX推進戦略の策定と実行

政府はGXを推進するための基本方針(GX推進戦略)を策定します。これに基づき、エネルギー基本計画や産業政策と連動した具体的な実行計画が立てられます。企業は国がどの方向に投資し、どのような規制を行うのかという「予見可能性」を持って経営判断ができるようになります。

2.GX経済移行債の発行

民間企業のGX投資を後押しするために、国が「GX経済移行債」を先行して発行し、10年間で20兆円規模の資金を調します。この資金は、単なる研究開発だけでなく、企業の設備投資や大胆な事業転換への支援に充てられます。

3.成長志向型カーボンプライシングの導入

CO2排出に価格を付けることで、排出削減を促す仕組みが本格化します。

CO2排出量取引制度(GX-ETS)の義務化改正法に基づき、2026年4月1日から一定規模以上の排出事業者に対して排出量取引が義務化される
化石燃料賦課金の導入2028年度から、化石燃料の輸入事業者などを対象に、輸入量に応じた賦課金の徴収が始まります。このように、排出コストが明確化されることで、早期の脱炭素対応が企業のコスト競争力に直結するようになる

4.GX推進機構の設立

カーボンプライシングの運営や、GX経済移行債を活用した金融支援を行う専門組織「GX推進機構」が設立されました。民間のGX投資を強力にバックアップする体制が整っています。

5.進捗評価と必要な見直し

GXの進捗を定期的に評価し、最新の技術動向や国際情勢に合わせて柔軟に計画をアップデートします。2025年の法改正も、この評価・見直しのプロセスを経て、より実効性を高めるために行われました。

GX推進法によって動き出した取り組み

GX推進法の成立を受け、国内では具体的な施策が次々と動き出しています。これらの取り組みは、単に環境を守るだけでなく、日本の産業が将来にわたって成長し続けるための土台作りとして進められています。

エネルギー安定供給の確保を大前提としたGXに向けた脱炭素の取り組み

GXを推進するうえで最も重要視されているのが、「エネルギーの安定供給」です。資源の乏しい日本において、国民生活や経済活動に支障をきたさないようエネルギーを確保しながら、脱炭素化を同時に進める必要があります。

具体的には、徹底した省エネの推進に加え、再生可能エネルギーの主力電源化、さらには安全性が確認された原子力発電の活用、水素・アンモニアといった新たなエネルギーの導入など、あらゆる選択肢を追求しています。これにより、化石燃料への依存度を下げつつ、安定したエネルギー供給体制の構築を急いでいます。エネルギー自給率の低い日本では、重要な動きとなります。

「成長志向型カーボンプライシング構想」などの実現・実行

もう一つの大きな柱が、炭素に価格を付けることで企業の行動変容を促す「成長志向型カーボンプライシング構想」です。この構想では、単に負担を課すだけでなく、排出削減に意欲的に取り組む企業が収益を得られるような仕組みを目指しています。

この構想の実現にあたっては、以下の視点も重視されています。

国際戦略の展開日本の優れた脱炭素技術をアジアなど海外へ展開し、世界の脱炭素化をリードするとともに、日本の経済成長につなげる
公正な移行の確保産業構造の変化によって影響を受ける労働者や地域に対し、リスキリング(学び直し)支援や円滑な労働移動をサポートし、誰も取り残さない移行を目指す
中小企業のGX推進脱炭素の波はサプライチェーン全体に及ぶため、中小企業へのきめ細やかな支援が必要。エネルギー効率の改善やCO2排出量の「見える化」に対する補助金、低利融資などの金融支援、さらには専門家による経営アドバイスなど、中小企業がGXを成長のチャンスにできるような環境整備を実行

GX実現のために動き出している中小企業は増加傾向

「GX推進法は大企業のための法律だ」と思われがちですが、実は中小企業の意識も急速に高まっています。

環境省のデータによると、脱炭素経営に取り組む中小企業の数はここ数年で増加傾向にあります。その背景には、大企業が自社の排出量だけでなく、原材料調達から廃棄までの「サプライチェーン全体」での排出削減を求められている現状があります。
例えば、ある製造業の中小企業では、主要取引先から排出量の算定・報告を求められたことをきっかけにGXを開始しました。省エネ設備の導入により、CO2削減だけでなく、高騰する電気代の削減という実利を得るケースも増えています。

取引先からの脱炭素に向けた協力要請の割合推移
参考: 環境省『各種ガイドライン 地域ぐるみの支援体制構築ガイドブック』を加工して作成

中小企業の脱炭素化には、中小企業版SBT取得が効果的です。詳しくはGX推進の第一歩におすすめなのが中小企業版SBT認定の取得をご覧ください。また、以下の記事も参考になります。

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GX推進における中小企業の課題

意欲は高まっているものの、中小企業がGXを進める上では以下のような特有の課題があります。

  • 専門知識の不足: 自社の排出量をどう計算すればよいかわからない
  • 資金力の問題: 省エネ設備や再エネ導入のための初期投資が負担
  • 人員不足: 日々の業務が忙しく、GX推進に専任者を置けない

これらの課題を解決するために、政府は手厚いサポートを用意しています。

政府による中小企業向けGX推進サポート

政府はGX推進法に基づき、中小企業が取り残されないようさまざまな支援策を講じています。

相談窓口

各地域の商工会議所や、環境省・経済産業省が委託する専門家派遣制度などが充実しています。まずは「何から始めればいいか」を無料で相談できる環境が整えられています。

補助金

設備投資を支援する補助金が非常に充実しています。

補助金名内容
省エネ補助金高効率な空調、ボイラー、生産設備への更新を補助
ものづくり補助金(グリーン枠) 温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品開発や生産プロセスの改善を支援
事業再構築補助金(グリーン成長枠)脱炭素関連の市場に参入するための、大胆な事業転換を支援

これらの補助金を活用することで、初期投資の負担を大幅に抑えることが可能です。

GX推進の第一歩におすすめなのが中小企業版SBT認定の取得

GXを対外的にアピールし、企業の信頼性を高める手段として「中小企業版SBT認定」が注目されています。

SBT(Science Based Targets)とは、パリ協定が求める水準と整合した、科学的根拠に基づく温室効果ガス削減目標のことです。通常版は申請手続きや審査費用が非常に大きな負担となりますが、中小企業版は審査料が抑えられており、限られた予算の中でも認定取得を目指せるのが大きな特徴です。

また、複雑な算定プロセスについては専門知識を持つ外部パートナーのサポートを活用することで、社内リソースを最小限に抑えながら確実な認定取得が可能です。認定を取得すれば、脱炭素に取り組む企業として、取引先からの評価向上や、融資条件の優遇につながるメリットがあります。

GX推進の波に乗って企業成長を目指そう

GX推進法は、単なる環境規制ではありません。日本の産業構造そのものを変え、新たな成長を生み出すための国家戦略です。

中小企業にとって、GXへの対応は「コスト」ではなく、将来の「競争力」を確保するための投資です。早めに取り組むことで、エネルギーコストの削減、新規取引の獲得、人材採用でのアピールなど、多くの成果を得ることができます。まずは自社の排出量を知ることから、GXの第一歩を踏み出してみませんか?

HELLO!GREEN

執筆:HELLO!GREEN編集部

HELLO!GREENでは、これから脱炭素経営に取り組む中小企業の皆さまに向けて、有益な情報を発信しています。環境省認定制度「脱炭素アドバイザー アドバンスト」にも認定されている 「炭素会計アドバイザー」資格を持つ専門スタッフの知見を活かし、わかりやすく信頼できる記事づくりに努めています。

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