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中小企業のSDGs│基礎知識や背景、企業事例、補助金も紹介

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「SDGs(持続可能な開発目標)」という葉は、今やビジネスシーンで欠かせないものとなりました。しかし、中小企業の経営者やGX(グリーントランスフォーメーション)担当者の中には、「SDGsは大企業が取り組むもので、自社にはハードルが高い」「具体的に何をすればいいのか分からない」と感じている方も多いのではないでしょうか。

実は、日本の企業の99.7%を占める中小企業こそが、SDGs成の主役です。さらに、特別な投資をせずとも、皆さんがすでに行っている地域貢献や環境配慮の活動そのものが、SDGsに直結しているケースも少なくありません。

本記事では、なぜ今中小企業にSDGsが求められているのかという背景から、現場の知恵を活かした面白い取り組み事例、活用できる補助金までを網羅して解説します。この記事を読み終える頃には、自社らしいSDGsの一歩が見つかっているはずです。

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記事の要点
  • 中小企業の取り組みこそが、持続可能な社会の実現とSDGs達成には不可欠な鍵となる
  • 自社の既存事業にSDGsの視点を加えることで、新たな価値創出やブランディング、人材採用の強化といった大きなメリットにつながる
  • 国や自治体の補助金・支援事業を賢く活用することで、コストを抑えながら効果的にSDGsや脱炭素の取り組みを推進できる
目次

なぜ今、中小企業のSDGsが注目されているのか?

SDGsは今やビジネスの「共通言語」です。かつては大企業の取り組みという印象が強かった脱炭素経営ですが、現在は現場での「実践」を担う中小企業へと主役が移り変わっています。

日本企業の99.7%を占める中小企業が動かなければ、社会全体の目標達成は不可能です。また、大企業がサプライチェーン全体の排出削減(Scope3)を重視する中、取引先である中小企業への要請も強まっています。SDGsへの対応は、取引継続や優秀な人材の獲得、金融機関からの評価に直結する、中小企業にとって不可欠な「生存戦略」なのです。

【基礎知識】SDGsとは?2030年に向けた世界共通目標

SDGs(Sustainable Development Goals)とは、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載されています。
「誰一人取り残さない(leave no one behind)」を誓いとして掲げ、17のゴールと、それらをより具体的にした169のターゲットで構成されています。

sdgs 17のゴール
出典:環境省『持続可能な開発目標(SDGs)の推進

環境問題だけでなく、貧困、教育、ジェンダー、経済成長など、社会が直面する幅広い課題の解決を目指しています

SDGsの主導権を握るのは中小企業

SDGsは大企業が主導するものというイメージがありますが、現実は異なります。日本企業の9割以上、就業者数の約7割を占める中小企業の力がなければ、日本の目標達成は不可能です。機動力と地域密着という強みは、SDGsと高い親和性を持っています。

さらに近年は大手からの要請で動き出すのではなく、中小企業版SBTや中小企業向けRE100などの国際枠組みを自発的に活用し、取り組みを数値で可視化する中小企業に価値が高まっています。受動的な対応ではなく、客観的データで自社の価値を自律的に証明・発信することこそが、ビジネスの主導権を握る鍵となるのです。

中小企業のSDGs取り組み事例│現場の知恵が「面白い」価値を生む

SDGsの取り組みに正解はありません。自社の強みや、日々の業務の中で感じている「もったいない」を解決することが、結果としてSDGsにつながります。ここでは、独自の視点で価値を創出している中小企業の事例を紹介します。

1.【製造業】産業廃棄物の卵殻を利活用

産業廃棄物として処分されていた「卵の殻」を資源として再利用する取り組みを行う、株式会社SAMURAI TRADING。食品工場から排出される卵殻を独自の技術で微細に粉砕し、プラスチックの代替素材や次世代バイオマス素材として製品化しました。

従来、卵殻の廃棄には多額の費用と環境負荷がかかっていましたが、これを利活用することで廃棄コストを削減。さらに、プラスチックの使用量削減にもつながり、温室効果ガスの抑制に貢献しています。中小企業の技術力が、捨てられるはずだったものに新たな価値を与え、循環型社会を実現した好事例です。

2.【建築業】空き家の古⺠家を再活⽤

長野県にある株式会社山翠舎では、解体予定の古民家から梁や柱を丁寧に回収し、独自の品質管理を経て宿泊施設や店舗、オフィスへと再生させています。

単に建物を修繕するだけでなく、歴史ある資材を循環させることで廃棄物を大幅に削減し、地域の景観や文化を次世代へ継承。歴史やストーリーを紡いだ古材に特化し、付加価値材としてアップサイクルをすることで、他社との差別化にも成功しました。目標11「住み続けられるまちづくりを」や目標12に貢献する、伝統技術と経済性を両立させた中小企業ならではのビジネスモデルです。

3.【燃料⼩売業】SDGs推進の支援サービスを実施

価格競争に直面する燃料小売業が、顧客を「地域」と再定義し、信頼構築で差別化を図った事例です。LPガスをメイン事業とした総合エネルギー会社のエネジン株式会社では、自社のSDGsノウハウを他社へ提供する支援サービスを開始し、異業種提携(アライアンス)を通じた課題解決を推進。地元企業との商品開発や、高齢者向けセミナーなどに注力しています。

独自の「SDGs方程式」に基づく戦略的な活動により、10年間で500回以上メディアに取り上げられています。7年連続で新規契約数が増加するという、ブランディングと利益確保を両立させた成功モデルです。

SDGs関連の補助金・支援事業

SDGsやGXへの取り組みには、設備の更新やシステムの導入など、一定のコストがかかる場合があります。資金面が不安な中小企業を後押しするために、国や自治体はさまざまな補助金を用意しています。

補助金の具体的な活用方法や公募情報については、以下のコラムで詳しく解説しています。

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【国内向け】SHIFT事業・省エネ補助金など

国内の取り組みで代表的なのが、環境省の「SHIFT事業(工場・事業場における先導的脱炭素化取組推進事業)」です。CO2排出削減のための計画策定や、設備導入を強力に支援してくれます。

また、経済産業省の「省エネ補助金」は、エネルギー効率の高い設備への更新を支援するもので、生産性の向上と光熱費削減を同時に狙えるため、多くの中小企業に活用されています。これらの補助金を活用する際は、自社の排出削減目標(SBT認定など)とセットで検討すると、採択率が高まる傾向にあります。

【国外向け】JICA「中小企業・SDGsビジネス支援事業」

自社の技術を海外の社会課題解決に活かしたい企業には、独立行政法人国際協力機構(JICA)の支援事業がおすすめです。開発途上国が抱える課題に対し、中小企業の優れた製品や技術をマッチングさせるための調査費用などを支援しています。

例えば、日本の高度な水浄化技術や廃棄物処理技術は、アジアやアフリカの諸国で非常に高く評価されています。国内市場が成熟する中、SDGsを切り口に海外展開を図る中小企業にとって、非常に心強い制度です。

SDGsの進め方

環境省では、持続可能な経営を実現するための「PDCAサイクル」によるSDGsの取組手順を紹介しています。ここでは、特に中小企業が取り組みやすい「脱炭素経営」の視点から、その具体的な進め方を解説します。

■企業活動とSDGsのつながり

企業活動とSDGsのつながり
出典:環境省『持続可能な開発目標(SDGs)の推進

SDGsを始めるに当たり、一から新しい施策を打つ必要はありません。まずは既存の業務の中からSDGsにつながる活動を棚卸しし、それをブラッシュアップして対外的にアピールすることが成功の鍵です。

具体的な手順は、以下の5段階が目安となります。

段階内容
1.理解経営層から社員まで、全員でSDGsの本質と自社との関わりを学ぶ
2.優先課題の決定既存事業の強みを分析し、注力するゴールを絞り込む
3.目標設定CO2削減量など、客観的なデータとなる数値を立てる
4.経営への統合日常業務や評価制度にSDGsの視点を組み込む
5.報告・発信取り組みをホームページなどで可視化し、ステークホルダーへ伝える

まずは「節電」や「ペーパーレス」といった身近な活動がどの目標に貢献しているか、言語化することからスタートしましょう。

以下で紹介する株式会社三葉製作所は、SDGsの取り組みを継続した上で、中小企業版SBTを取得しました。事例として参考になります。

SDGsのカギを握る中小企業の一歩が、持続可能な未来を創る

SDGsは、決して手の届かない遠い場所にある目標ではありません。むしろ、地域社会に根を張り、顧客の声に真摯に向き合ってきた中小企業の中にこそ、その種はたくさん眠っています。

産業廃棄物を宝物に変える技術、伝統を守りながら街を再生させる知恵、そして地域のパートナーを支える心。これらすべてがSDGsそのものです。自社の活動を「SDGsの視点」で見つめ直し、それを対外的に発信することで、新たなビジネスチャンスや信頼が生まれます。

まずは身近な社会課題に対して、自社の強みをどう活かせるか考えることから始めてみませんか。中小企業の皆さんの小さな一歩が、2030年、そしてその先の持続可能な未来を創り出す大きな力となるのです。

HELLO!GREEN

執筆:HELLO!GREEN編集部

HELLO!GREENでは、これから脱炭素経営に取り組む中小企業の皆さまに向けて、有益な情報を発信しています。環境省認定制度「脱炭素アドバイザー アドバンスト」にも認定されている 「炭素会計アドバイザー」資格を持つ専門スタッフの知見を活かし、わかりやすく信頼できる記事づくりに努めています。

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