CO2削減を実現する環境配慮型オフィスビルの選び方。中小企業が注目すべき理由と省エネ策

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今や企業の規模や業界を問わず、CO2排出量削減は重要な経営課題のひとつとなっています。オフィスビルに入居するテナント企業にとっては、自社の排出量削減のために、ビルの環境性能も気になるところでしょう。今回は、オフィスビルのCO2排出量が多い現状、ビル選びのポイント、入居後でもできるCO2削減策などを解説します。中小企業の脱炭素経営を推進する手段として、CO2削減の先にある目標設定も紹介しますので、オフィスビルへの入居・移転や、オフィスでできる対策を検討している企業は、ぜひご一読ください。
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- オフィスのCO2排出量は企業経営にも影響します
- 環境性能を重視したオフィスビル選びが排出量削減につながります
- CO2対策から始める環境経営としてSBT認証を検討します
オフィスビルのCO2排出が多い理由と削減の重要性
オフィスビルのCO2排出量は見過ごされがちな課題ですが、実際は、照明・空調・OA機器の使用などによって多くのエネルギーを消費しており、相当な量のCO2が排出されています。
とりわけオフィスビルが集積する都市部においては、すでに具体的な削減策が制度化されているケースもあります。例えば東京都は「総量削減義務と排出量取引制度(キャップ&トレード制度)」を導入しており、エネルギーの需要側である大規模事業所(オフィスビル含む)に対してCO2削減義務を課し、排出抑制を図っています。
近年は、大手企業がサプライチェーン全体の脱炭素化を推進しており、取引先にCO2削減目標の設定や具体的な取り組みを求める動きが加速しています。中小企業の支社・支店などビルに入居しているテナントオフィスも例外ではないため、サプライチェーンに参加し続け、事業を継続していくためにも、オフィスのCO2削減は重要です。
オフィス選びでチェックすべき6つのポイント
入居するビル自体の性能によってCO2排出量が左右されるため、排出量削減を目指す上で、どのようなオフィスビルを選ぶかが重要です。ここでは、環境性能の高いオフィスビルを見極めるための、具体的な6つのチェックポイントを解説します。
1.空調・照明設備の省エネ性能
オフィスで多くのエネルギーを使う空調と照明は、CO2排出量に直結します。そのため、これらの設備が省エネ性能の高いものであるかを確認することが大切です。具体的には、以下のような部分です。
- LED照明を導入している
- 部屋ごとに照明のオン・オフができる
- 明るさの調整ができる
- 空調機器はインバーター制御式を用いている(室温に合わせて運転効率を調整できる) など
こうした点を事前に確認すると、入居後の電気使用量軽減が期待できます。
2.断熱・遮熱性能に優れた建材の使用
ビルの「断熱性」と「遮熱性」がしっかりしていると、外の暑さや寒さが室内に伝わりにくく、エアコンの使い過ぎを防ぎます。
- 窓は1枚ガラスではなく、複層ガラスになっている
- 外壁に高性能な断熱材が使用されている
- 屋上に遮熱塗料が塗られている など
こうした点は、検討の段階でしっかり見ておくことが大切です。
3.第三者による環境認証の有無
オフィスビルがどれだけ環境に配慮しているかは、第三者機関などの認証(省エネ認証)を受けているかどうかで確認できます。以下は代表的な制度で、多くはビルの設計段階から環境性能を重視した新築、あるいは大規模改修を行ったビルです。
| 認証 | 内容 |
|---|---|
| DBJ Green Building認証 | 環境・社会に配慮されている不動産(Green Building)を支援する制度。建物の環境性能だけでなく、防災や地域への配慮なども含めて総合的に評価 |
| CASBEE(建築環境総合性能評価システム) | 省エネや環境負荷が少ない資機材の使用などのほか、ビル内で働く人の快適性や、景観への配慮なども含めて総合的に評価・ランク付け |
| BELS(建築物省エネルギー性能表示制度) | 建築物省エネ法第7条に基づき建築物の省エネ性能を表示する制度。一次エネルギー消費量をもとに5段階の星マークで表示 |
| ZEB(Net Zero Energy Building) | 年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指した建築物。高効率設備の導入や断熱性能の向上により、省エネを徹底しながら、太陽光発電システムなど再生可能エネルギーを導入 |
ほかにもさまざまな認証制度がありますので、不動産業者や管理会社に確認してみましょう。
(参考:環境省ZEB PORTAL『ZEBに関連する評価・認証・表示制度』)
4.再生可能エネルギーが活用できる設備の状況
屋上や敷地内に太陽光発電システムがあるような、再生可能エネルギーを活用しているビルを選ぶことでも、CO2排出量を削減できます。企業が発電設備を設置しなくても、間接的に再生可能エネルギーを使用していると認められるためです。こうした設備があるかどうかも、ビル選びのポイントのひとつです。
5.オフィスの所有形態
オフィスビルのCO2排出量は、ビルの所有形態によっても変わります。削減のために取り組める内容や自由度が異なり、排出量にも影響を及ぼすためです。自社所有の場合は、エアコンや照明などの設備を更新する、断熱材を導入するなど、ビル全体の省エネ・脱炭素対策を比較的自由に進められます。
一方、テナントとして入居する場合は、共用部や設備に関する決定権が限られるため、専有部の使い方の見直しや、日常的な省エネなどの工夫が中心となります。例えば、省エネタイプのオフィス機器を選ぶ、エアコンの設定温度を調整する、従業員の意識を高めるなどです。
ただし、高い環境性能を備えたオフィスビルの場合は、高効率な設備や断熱性の高い構造によりエネルギー消費が抑えられ、テナントとして入居するだけで一定のCO2削減効果が期待できます。
6.ビルの築年数
オフィスを選ぶ基準のひとつとして、ビルの築年数も大事なポイントです。一般的に古いビルは、壁や窓の断熱性が不十分でエアコン効率が悪く、設備そのものが旧式の全館空調で温度設定ができないこともあります。照明がLEDではなく蛍光灯のままというビルもあり、こうした古いビルは消費電力が多くCO2排出量も多めです。
一方で、新しいオフィスビルは、設備が高性能で断熱性の高い建材を使用していることが多いため、テナントとして入居するとCO2を削減しやすくなります。
入居後でも取り組めるCO2削減と省エネ対策
テナントとしてすでにオフィスビルに入居していても、専有部の運用を工夫することでCO2排出量は削減可能です。ここでは、すぐに実施できる施策を紹介します。
空調機器の使い方を見直してエネルギー消費を抑える
空調はオフィスの電気使用の中でも大きな割合を占めているため、使い方を工夫してエネルギー消費量を抑え、CO2削減につなげます。具体的には、設定温度の見直し、サーキュレーターやブラインドの併用、定期的なフィルター清掃などです。オフィスを使っていない時間帯の運転を避けるために、スケジュール運転も効果的です。
照明設備の運用方法を工夫して電力使用を削減する
照明を使う時間と明るさの管理によって、消費電力を削減します。例えば、外から光が入る窓際や人がいない場所の照明を消す、人感センサーを設置するなどです。
一般照明用の蛍光ランプ(蛍光灯、蛍光管)は、2027年末までに製造・輸出入が禁止されます。現時点で購入・使用は可能でも、交換用が手に入らない、急な照明工事で業務に影響が出るなどの懸念があります。LED化が済んでいないビルの場合は、管理会社やオーナーと、今後の照明設備について確認することをおすすめします。
パソコンや複合機などのオフィス機器で省エネを進める
パソコンや複合機などオフィス機器の使い方も大切です。長時間使わない場合は電源をオフにする、スリープモードを活用するなど、小さな工夫の積み重ねがCO2排出量の削減につながります。消費電力が少ない機器への更新も有効です。
CO2削減から始める企業の環境目標の立て方
近年、大手企業ではCO2削減の取り組みが進み、取引先にも排出量の把握や削減を求める動きが加速しています。オフィスを含めたCO2排出量の削減は、今後も取り引きを続けるために必要な経営戦略の一環です。
この脱炭素の流れを生かすには、CO2排出量を算定し、目標設定することが鍵となります。そこで注目されているのが「SBT(Science Based Targets)」の認証取得です。SBTとは、パリ協定に整合した温室効果ガス削減目標を設定する、国際的な認証制度です。大企業向けだけでなく、要件を満たせば申請を目指せる「中小企業版SBT」も用意されています。
中小企業がSBT認証を目指すメリットと取得までの流れ
中小企業版SBTは、通常版よりも申請しやすい形でSBT認証を取得できる仕組みです。科学的根拠に基づく削減目標を外部に示すことで、以下のようなメリットが期待できます。
- 脱炭素経営への本気度を示すため取引先からの信頼を獲得できる
- 補助金申請時の加点要素になり資金面での援助を受けやすくなる
- 国際的な制度のため海外との取り引きに活用しやすい など
認定取得までの主な流れは、次のとおりです。

HELLO!GREENでは、脱炭素経営を進める中小企業さまを支援するために「中小企業版SBT認定」申請支援を行っています。環境省認定「脱炭素アドバイザー」が認定取得まで一気通貫でサポートいたしますので、少しでも不安がある場合はお気軽にお問い合わせください。
環境に配慮したオフィスビル選びで脱炭素に貢献
オフィスビルにおけるCO2排出量の削減は、経営戦略のひとつです。特に中小企業にとっては、サプライヤーとしての継続的な取り引きのためにも、ビルの選定や日常的な運用改善による削減が欠かせません。こうした取り組みに加え、SBTなど科学的根拠に基づく目標を掲げることで、取引先からの信頼獲得や競争入札での優位性確保にもつながります。環境配慮型のオフィスビルを選んで脱炭素を推進し、持続可能な成長を目指しましょう。
HELLO!GREENでは、これから脱炭素経営に取り組む中小企業の皆さまに向けて、有益な情報を発信しています。環境省認定制度「脱炭素アドバイザー アドバンスト」にも認定されている 「炭素会計アドバイザー」資格を持つ専門スタッフの知見を活かし、わかりやすく信頼できる記事づくりに努めています。