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クライアントからのガイダンスを機に始まった「SBT認定」。小規模の製造業が挑んだ脱炭素経営と、見えてきた新たな視界

株式会社エージー・クルー

代表取締役 西方 真理子 様

エージー・クルー サムネ

ステンドグラスの制作を手がける株式会社エージー・クルー。同社は、大手ハウスメーカー主催のサステナビリティに関するガイダンスをきっかけに、脱炭素経営の必要性を実感し、「中小企業版SBT」の認定取得を目指しました。モジワウスの「中小企業版SBT取得サポート」を活用することで、社内負担を最小限に抑えながら認定を取得したプロセスを紹介します。サプライチェーンからの脱炭素要請に悩む中小企業、必見の導入事例です。

会社名 株式会社エージー・クルー
事業内容 ステンドグラス、デザインガラス、積層ガラス等、意匠ガラスの企画・制作・施⼯。インテリアデザイン、家具、サインの企画・制作・施⼯。ミラー工事、ガラス工事全般
従業員数 15名
株式会社エージー・クルー様のロゴ
課題
  • 取引企業主催のガイダンスで 「SBT認定」取得についての言及があり、サプライヤーとして歩調を合わせて対応しなければならないという責任を感じた
  • 社内には脱炭素経営やGHG排出量の算定に関するノウハウがなく、何から手をつければよいか分からない状態だった
決め手
  • 自社の規模に見合った最小限の予算とリソースで始められるピンポイントな提案だった
  • サイトの分かりやすさに加え、オンライン無料相談会の段階で事前の不安を解消してくれる誠実な対応とコストパフォーマンスの高さがポイントとなった
効果
  • SBT事務局との申請に関するやり取りや専門的な算定業務を一任できたため、自社の負担を最小限に抑えつつスムーズに中小企業版SBTを取得できた
  • 自社の排出量が「見える化」されたことで、ホットスポットを特定できただけでなく、行政・金融機関からの信用向上につながった

大手企業によるガイダンスで見えた「SBT」の必要性。「取得しない」という選択肢はなかった

ー脱炭素経営、特に中小企業版SBTの取得に向けて動き出された直接のきっかけから教えていただけますか?

西方さま:直接のきっかけは、当社のメインクライアントである大手ハウスメーカー様からの働きかけですね。10〜15年前からサステナビリティへの取り組みが先進的に進められていて、私たち協力会社にも同様の環境基準が求められていました。

ーさすが最先端を走る大企業ですね。具体的にはどのような働きかけがあったのでしょうか。

西方さま:数年ほど前から、環境に関するガイダンスでSBT取得目標の項目が明確に入るようになってきました。建築業界全体でサーキュラーエコノミーを推進していくために、協力会社も含めて一緒に取り組んでいきましょう、という内容でした。

エージー・クルー ステンドグラス

ークライアントから地球温暖化や脱炭素経営に関するアナウンスが増えているという話を、ここ最近よく耳にします。

西方さま:そうですね。そうした変化を通じて、環境への取り組みはこれからの事業運営において重要なテーマなのだと改めて実感しました。そこで、自社の現状を把握し、将来に向けた第一歩として中小企業版SBT取得に取り組むことを決めました。 

自社の規模に合った選択。「最小限で始められる」提案が決め手に

ーサプライチェーンの一翼を担う企業として、必然の決断だったのですね。SBT取得をサポートする会社は数多くありますが、最終的にパートナーとしてモジワウスの「中小企業版SBT取得サポート」を選んでくださった理由は何だったのでしょうか。

西方さま:インターネットで調べる中でモジワウスのサイト「HELLO! GREEN」にたどり着きました。「中小企業版SBT取得サポート」の内容を拝見したところ、何をしてもらえるかというのがわかりやすく当社の希望に沿ったサポートが望めそうだな、と。

実は、他社サービスと比較検討もしていました。他社サービスでは、コンサルティングに加えて、自社でデータを入力・管理するクラウドサービスも提供されており、付加価値の高い印象を受けました。ただ、その分高額でもありました。

ー価格帯やサービスの規模感で、少し悩まれたのですね。

西方さま:当社は拠点が少ない会社ですので、まずは最小限の予算と最小限の実装工数でスタートしたいという思いがありました。比較対象のサービスは、拠点が全国にたくさんあって、脱炭素の専門プロジェクトチームを組めるような「ある程度の規模感がある大企業」向けだと感じたんです。

ー自社の望みに合った投資かどうか、という視点ですね。

西方さま:モジワウスの「中小企業版SBT取得サポート」は、まず取り組みを始める最小限の予算、最低限の実務の負担で取得を目指せるというところが、ピンポイントで合致していると感じました。

ーモジワウスの「中小企業版SBT取得サポート」は、拠点数を多く展開する企業のサポートもしていますし、拠点が少ないお客さまにもご支持いただいております。

オンラインでも安心して進行。要件「1万トン」への不安も事前確認で解消

ーモジワウスは長野県上田市・佐久市に拠点があります。東京都にアトリエを構える御社とは遠方ということもあり、オンラインやメールでやり取りしました。対面できない不安などはございませんでしたか?

西方さま:当社では仕事をする上で「対面でお話をして、お互いの信頼関係を築く」というプロセスを基本的には大事にしています。そのため、最初は正直、オンラインだけのやり取りという点に少し心配な部分もありました。

しかし、「オンライン無料相談会」で当社の状況や懸念点を相談できたり、モジワウスから中小企業版SBTの説明や取得方法を詳しく説明していただいたりしました。結果として、オンラインでも全く問題ありませんでした。

ー「オンライン無料相談会」では「GHG排出量が中小企業版SBTの要件である1万トンを超えてしまうのではないか」というご不安も口にされていましたよね。

西方さま:事前に中小企業版SBTについて調べる中で、要件のひとつとしてGHG排出量の上限があると知り、自社の排出量が分からないまま進めていく事に不安を感じました。

ですが、他社様の規模感と排出量の目安を教えてもらえたことで、当社が上限を超える恐れはほぼないことがわかりました。算定前は、自社の排出量がまったく想像できない状態でしたから、モジワウスの真摯な対応には大きな安心感を得られました。

専門知識がなくてもスムーズに取得。エビデンス収集も日常業務の延長で対応

ー「中小企業版SBT取得サポート」は、算定自体はモジワウスで対応し、クライアントのみなさまはGHG排出量の計算に必要な「エビデンス(領収書や請求書など)」を提出していただくだけです。エビデンスを集める作業の負担感はいかがでしたか?

西方さま:毎月の請求関係や電気代、ガソリン代の領収書は当然保管していますから、基本的にはそれをそのままモジワウスに共有するだけでした。普段の業務の延長線上で進められたので、負担感はほとんどありませんでした。

ー最大の難所とされる「SBT事務局(国際機関)」との英語での申請やり取りや、専門的な問い合わせ対応についても、基本的にはすべてモジワウスにお任せいただきました。

西方さま:そこがお願いして良かった評価ポイントのひとつです。誤った情報を出せませんし、そもそもどういった質問が来るのかもわかりません。モジワウスなら、他社様の実績を踏まえた上で最適な回答で対応してくれるというのは大変心強かったです。

知識ゼロから自分たちで申請して質問などのやり取りをするのは、リソース的に厳しかったと思います。算定の方法についても、自社にノウハウがない中で進めるより、専門家に任せて正確な数値を出していただくことが良いと考えていました。

算定して驚いたイメージとのギャップ。想定より多かった「自動車」の排出

ー算出された御社のGHG効果ガス排出量について伺います。GHG排出量の内訳(電気:約46%、軽油約42%、ガソリン約7%など)について、事前に抱かれていたイメージとのギャップはありましたか?

西方さま:当社は運送業のように一日中車を走らせているわけではなく、自動車を使うのは施工現場に向かうときなど限定的な場面だけです。そのため、ガソリンや軽油の使用に関してそれほど大きな影響があるという認識はありませんでした。私たちはものづくりの会社で、使っている感覚としては電気のGHG排出量の方が圧倒的に多いのかなと思っていました。

ー主な排出源やその割合が想定と異なっていた、というお話は他社からも聞きます。今回の算定結果を受けて、排出量削減に向けて今後の取り組みとして検討していることはありますか?

西方さま:モジワウスからのアドバイスにあった水素燃料を使用する車の導入は、インフラを含めて環境がすぐに整う段階ではないのかな、と感じています。まずは今できるところから着手しようということで、電気の排出量削減を目指すつもりです。

ー水素燃料とともにご案内したCO2フリープランですね。各電力会社で「使う電気のGHG排出量が『実質ゼロ』とみなされる電気料金プラン」が提供されていますので、ぜひ導入をご検討ください。

伝統を守り、端材を活かしきる。「アップサイクルガラス」に込めたものづくりのプライド

ー現状を知ることで、初めて効果的な削減計画がスタートする。まさに脱炭素経営の本質ですね。御社は以前から素晴らしい環境への取り組みを行っていらっしゃいますよね。「ガラスのアップサイクル」について、詳しくお聞かせいただけますか?

西方さま:ステンドグラスの制作では1枚の大きなガラスシートから、デザインに合わせて細かくパーツを切り出していくのですが、どうしても「端材」が出るんです。デザインによっては、全体の30%ほどが製品にならず残ってしまいます。

端材といってもガラスには変わりありません。端材を廃棄するのではなく再利用することを目標にしています。

エージー・クルー ステンドグラスと階段

ー具体的にはどのようにアップサイクルされているのでしょうか?

西方さま:板橋区SDGsプラットフォームを通じて、ガラスの端材を使った「ガラスブーケ」を作るワークショップを開催しました。

ー参加者がオリジナル作品を作ることができ、廃棄するガラスを減らせる、素晴らしい取り組みですね!

西方さま:それだけではありません。端材を色別にストックしておき、特殊な焼き直しを行うことで、「アップサイクルガラス」として蘇らせる技術も5~6年前から取り入れています。これは製品のパーツとして使えるので、端材が無駄になりませんし、デザインのアクセントにもなります。

ー現時点で、端材のアップサイクル率はどのくらいなのでしょうか?

西方さま:おおよそ25%でしょうか。現在はまだまだ割合としては少ないですが、これからもっと利用率を高め、当社の脱炭素経営を加速させていきたいと考えています。

社内の意識改革から、行政・金融機関からの信頼獲得まで。SBT認定が中小企業にもたらす価値

ー中小企業版SBTの取得は社員の方への環境意識醸成にもつながりそうでしょうか?

西方さま:社員に対して口頭で「これからは環境の時代だから、電気をこまめに消そう」と呼びかけるだけでは、なかなか伝わらない部分もあります。それよりも、「国際的な機関のサイトに当社の名前が表示されていて、こういう目標が全世界に発信されている」という事実を提示する。その客観的な事実を見せながら取り組んだ方が、社員一人ひとりの意識も確実に深まっていくと考えています。

ー最後に、日本全国に数多く存在する「うちはまだ規模が小さいから関係ない」「SBTなんてまだ早い」と考えている中小企業の経営者の方々に向けて、一歩を踏み出すエールやメッセージをいただけますでしょうか。

西方さま:我々も本格的な取り組みを始めたばかりですので、アドバイスなどと言うとおこがましいですが、実際に取得を目指す中で思ったことは、あらゆる視野がとても広がったということです。

今後制作の際にどのような素材を使っていくべきか、さらには協力会社をどう選んでいくか、経営の視野が広く深くなりました。自社の規模に囚われることなく、持続可能な事業形態を再検討するという意味において、脱炭素に取り組むことはこれからの時代、すべての中小企業にとって本当に必須なことだと強く感じています。

国際的な環境基準である中小企業版SBTを取得しているという事実は、行政機関や金融機関からの信頼を驚くほど高めてくれます。中小企業にとって、非常に大きな武器になるはずです。

(サムネイルおよび写真提供:株式会社エージー・クルー)

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